1人前7500円のトンカツコースを食べました。
この間高級トンカツレストランへ行った。「日本中のトンカツを食べる」ことを今年の目標に掲げ着々とそれを遂行しているトンカツガチ勢の先輩がトンカツの原点ここにありと絶賛するトンカツ屋さんが会社の近くにあったのだ。
内装はレストランというよりバーに近い。というかバーだ。バーテンダーがいるところに店主がいてその周りにカウンターがある。カウンター席オンリーなのでお客さんは10人も入らない。そして驚くことにコースは18時30分一斉スタートで、夜はその一回転のみである。
一言で感想を言うと「めっちゃ美味しかった!」である。目の前に何種類ものお肉を並べられてマスターが説明をしてくれる。トンカツって塩でいけちゃうんだ!とか揚げても白色のパン粉ってあるんだ!とかトンカツの可能性を感じざるを得ない時間を過ごした。
そこのマスターはめっちゃトンカツが好きらしい。トンカツの話をしている時めちゃめちゃ嬉しそうで1つ質問したら500になって返ってくる。意気揚々と声高らかにトンカツについて語る姿はオタクそのもの。いいなあマスターは。推しの話をして推しの素晴らしさを広めることが仕事なんだもん。
たった10名弱の客がマスターを囲んでトンカツについて話すから自然に他のお客さんとも仲良くなる。トンカツが作る新たな輪の誕生だ。
お客さんで小さなお子さんと3人で来ている家族がいたんだけどその方々もめっちゃ素敵な人たちだった。奥さんがスリランカと日本のハーフで、お母さんが昔から作ってくれていた日本×スリランカのカレーを広めたい!との想いでカレー屋さんを営んでいるらしい。
自分の好きなものを話す人たちってなんでこんなにも綺麗なんだろうって何度でも思う。推しのことを話すオタクもトンカツのことを話すマスターもなんでこんなに眩しいんだろう。知識をひけらかしたいとか自慢したいとかマウントを取りたいとかそんなものを一切感じない。ただただ自分の好きなことを語るのが楽しくてしょうがないって感じ。私は誰かの「好き」を聞くことがめっちゃめちゃに好きだ。
子供の時は単純に自分が好きなものについて永遠に話すことが得意だった。セーラームーン実写版がいかに良質コンテンツか、なぜアポロではなくチョコベビーが好きなのか。聞かれてもいないのに親の後を付きまとって永遠に力説していた。
しかし成長するにつれ、自分の大好きを心の中にしまうことが多くなった。理解されないのが嫌とか自分の好きなものを知って欲しくないとか「こいつめっちゃ喋るやん」って思われるのが嫌とか色んな気持ちが好きを心の中に閉じ込めているのかもしれない。
でもさ!!!!!!!!私は声を大にして言いたい。好きなものについて話してる時の顔めっちゃ素敵だよ!!!!!しかも意外に聞いてる側楽しんでるよ!!!!!もっともっと好きなものの話しよーぜ!!!!
実際私はトンカツに使っている肉の種類とかパン粉の使い分けとか死ぬほど興味がない。しかしトンカツオタクのマスターの口から聞くことでとても楽しい時間になった。夜のコースを一回転しかしないのはマスターがトンカツの話をたくさんしたいからだろう。
推しまい推しまい