スーパーのレジが大行列です。
今日の夜ご飯はカレーだ。ご飯の選択肢がトマトスープかカレーかウーバーの3択に絞られている生活を始めてしばらく経つ。今日はカレーの日だ。家に前回スープを作った時の余りのニンジンとじゃがいもがある。なので肉とカレー粉と玉ねぎを買おうと思って近所のスーパーへ行った。
近所のスーパーは1階が食料品売り場になっていて2階には少しの本や化粧品、薬、日用品が陳列されている。
1階の食料品売り場で食料をカゴに入れてレジに並んだ時、ゴミ袋がもうそろそろなくなることを思い出して2階に上がった。
すぐに見つけてそのまま2階のレジに行くと、元々２つあるうちのレジが1つしかあいておらず、3人くらいが並んでいた。私が4番目。私の前のおばあちゃんは塗り絵を一冊持っている。よしよしみんな買う物が多くなさそうだしすぐにお会計の番が回ってきそう。よかったよかった。
私の前に並んでいたおばあちゃんの番が来た時に事件が勃発した。それは突然の出来事だった。なんとおばあちゃんはめっちゃ喋るタイプのおばあちゃんだったのだ。
おばあちゃんは自分の番が来た瞬間待ってましたと言わんばかりのスピードで塗り絵をレジの台にスライディングさせダムから溢れる水のような凄まじい勢いで定員さんに話し始めた。
盲点だった。まさかおばあちゃんがおしゃべりおばあちゃんだったとは。
おばあ「この塗り絵はね！孫としようと思って買ったの！」
定員「、、、いいですね」
おばあ「実はこの塗り絵はシリーズになっていてこれが3冊目！」
定員「、、、人気なんですね」
猫ミームのヤギと猫の構図を生で見ることができてなんだかとても光栄でした。はい。
後ろの列がどんどん長くなっている。中にはちょっと怖そうなおじさんもいる。おばあちゃん早くしてよ涙涙涙 あのイカついおじさんが怒鳴ったらどうするのさみんな硬直しちゃうよおばあちゃ〜〜〜〜ん涙涙涙
いかつおじさんが痺れを切らして1階のレジに乗り換えるために列を離脱した。
そうだそうだよこの謎の待ち時間にイライラする人はここのレジを使わなかったらいいんだよ一階のレジを使いなよ穏便に行こうよおばあちゃだって話したいんだから仕方がないじゃん。
いかつおじさんの選択を皮切りに離脱者が増えていく。よしよしおばあちゃん後ろからの重圧は無くなってきたぞもっとやれもっと話すんだ、ちなみに塗り絵シリーズの1作目のテーマはなんだったの〜〜〜？
いつの間にかなぜかおばあちゃんのことを応援していた自分に気がついて少し嬉しくなった。今日はとても心に余裕があるらしい。謎の待ち時間にイライラしていないんだから。おしゃべりばあちゃんのおしゃべりは今もどこかで続いているだろう。自分の心の余裕について知りたい時はぜひ彼女を見つけ出してみてほしい。
あなたの街にもほら、おしゃべりおばあちゃんはすぐそこに、、、。
おしまいおしまい
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